嵯峨山通商 4台目のラッピング車は「天空の城と祭り屋台」
【兵庫】「今回はナイトシーン。祭りの前に完成させることができてよかった」と、このほど嵯峨山通商(嵯峨山啓社長、朝来市)に4台目の"天空の城トラック"が納車されたことを喜ぶ嵯峨山幸広会長(65)。秋の晴れた朝に発生する濃い霧が辺りを取り囲み、雲海に浮かぶ姿から天空の城として全国に知られる竹田城跡をラッピングした大型トラックは2021年5月の1号車を皮切りに、23年9月に2号車、24年1月に3号車と代替えや増車のタイミングで製作を重ねてきた。
4台目となる今回の大型トラックは初めての夜バージョンで、前回の納車時に「大ヤッサ(祭り屋台)が10台、中学生以下が担ぐ小ヤッサを合わせて20台。乗り子や担ぎ手も減っているけれど、なんとか盛り上げたい」と、幸広会長が構想していた生まれ故郷・竹田地区の秋祭りとコラボしたもの。慶応3年(1867年)の大政奉還後に始まった歴史ある祭りだ。
全国を走って同市の貴重な観光資源をPRする取り組みは、竹田の先輩でもある藤岡勇・同市長に幸広会長が話を持ち掛けたのがきっかけ。同社が保有するトラックはすべて大型冷凍車で、この先もラッピングの継続を計画。竹田城跡のほかにも生野銀山や神子畑選鉱場など名所旧跡が多く、日本3大ネギの1つに数えられる岩津ネギの発祥地としても知られるなど宣伝する材料は豊富だ。
夜空に浮かぶ天空の城と、電飾も鮮やかな古里・下町の屋台。「当初はボディーの横ドアも外し、3面をフルに使ってすべての屋台を入れたいと思ったが、それぞれの地区から許可をもらうのに時間が必要だった」と断念。なんとか祭り(10月11~12の2日間)に間に合った。関東から九州の範囲を走り、故郷の素晴らしい風景を伝えている。
