ヒトミキャリーライン エアブラシの温かみで故郷・下津井を描く
【岡山】「どこか安っぽく感じてフィルムとかは好きじゃない」と、トラック後部の観音扉に描く生まれ故郷"下津井の港"にこだわった経緯を話すのは吉田宣裕氏(ヒトミキャリーライン会長=61、岡山市中区)。同じく観音扉に、手書きの原爆ドームを描くことで知られた広島市のトラック事業者(廃業)を思い出したが、同氏の話を聞くうちに意外なつながりを知ることができた。
「ハタチのころに魚屋のトラックに乗っていて、九州(天草)へ向かう途中に立ち寄った広島県内のパーツ店で(原爆ドームの)その会社のドライバーと知り合った」と思い出しながら話す。手書きのインパクトと、特殊な塗料(吹き付け)でシルバーに輝く見事なトラックに衝撃を受けたという。
お盆にできあがった4トン冷凍車に続き、11月前半に完成する予定の大型冷凍車も"エアブラシ界"で知られたプロの手に委ねる。「うちのトラック(観音扉)は大半がステンレスを貼っており、そうじゃない2台に絵を書くのはボディーを保護する意味もある。クリアーも4回吹いてもらっている」と話す。
「絵のどこかに赤いダルマが書き込まれている」という著名なエアブラシ画家による第2弾(大型トラック)は"夜の下津井バージョン"になるという。「写真を見て、下書きをすることなく書き始めるのには驚かされた。写真とは違って、瀬戸内海に浮かぶ船もぼんやりと温かみがあるのがいい」と笑う。
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