ミナミ商事 オートボディプリンター導入し「第二の柱」へ
ミナミ商事(南英夫社長、群馬県高崎市)は、コンビニなどへの書籍配送をメーンに手がける。創業から20年を数え、長い付き合いの荷主が多いという。
南社長がトラックショーで目にしたのをきっかけに昨年、エルエーシー社の「オートボディプリンター」を導入。別会社「アートプリントスタジオミナミ」を立ち上げた。PCに詳しい若手ドライバーが技術を習得し、乗務のない日にはプリント作業に従事しているという。両社の営業部長を務める飯塚義男氏は、「燃料高騰や運賃の下落など、運送業界を取り巻く現状は厳しい」とし、プリント事業を「第二の柱」に据えるべく、東奔西走する日々だという。
オートボディプリンターは、車のボディーへダイレクトにプリントできる。パソコンでデザインした画像を塗料で直接プリントするため、低コストで、「半日もあれば施工が可能」という短納期も特長。継ぎ目や切り込みもないため、写真のような仕上がりだ。
地元の運送事業者には、車体へのプリントを提案。「認知度がまだ低く、一から説明して良さを分かってもらっている状況」だという。一方で、車体を広告媒体として考えてくれるスポンサーの発掘にも注力。同部長は、「将来的にはスポンサーとセットで、運送事業者に提案できるようになれれば」と展望。「スポンサーから広告料を月にいくらかもらえれば、かけたコストはすぐに回収でき、値上がりした燃料分の補填にもなるはず」。
昨年は県と協力し、交通安全キャンペーンの広告車両を走らせた。「トラックは、『走る広告塔』としてこれ以上ない媒体。走っている時はもちろん、スーパーやSAなど人が多い場所で停車すれば、看板広告以上の効果が期待できる」とメリットを訴える。
また、広告以外の用途として、デザイン性のある図案や柄をプリントする「デザイントラック」というコンセプトも提案。「車両をキレイにプリントすれば、ドライバーも無謀な運転を避け、大切に乗るようになる。荷主も喜ぶはず」。
プリントは特殊な溶液で簡単に消すことができる。「季節ごとのデザインリニューアルなども提案していきたい」と同部長。「今は基礎を作る時。3、4年かけて浸透させていく」と意欲を見せる。