ジェイネクスト ロジスティクス 芸大と産学連携プロジェクト
2016年の4月に始動したジェイネクスト ロジスティクス(山田純司社長、大阪府南河内郡太子町)と大阪芸術大学(同郡河南町)による産学連携プロジェクトの第3弾となるラッピングトラック3号車がこのほど完成した。物流をイメージした車体ラッピングのデザインを学生が制作し、自らが手掛けた作品のプレゼンテーションも経験しながら進めるコラボレーション企画。3号車も前2作と同様に直接、大型トラックのボディー3面にプリントするシステムが採用された。
デザイナーを志望する大阪芸大デザイン科の学生らを前に昨年5月11日、プロジェクト説明会を開いてからほぼ1年を費やした。今回のコンセプトは「人と人をつなげる」「幸せを運ぶ」で、参加者は全員が女子学生という結果になった。「物流のイメージを頭に描くと、おのずとパターンが似てくるようだ」(山田社長)というが、そのなかで「従来の作品とは違った要素があり、やさしい配色もよかった」ということで採用されたのが、ボディーをマンションに見立てて描いた学生の作品。
車体側面は左右でデザインが異なり、「運転席側はマンションの玄関風景で、宅配荷物を受け取る様子などが描かれており、助手席側は窓越しにマンションの内部が描かれ、人びとの暮らしぶりが見える」(同)と、豊かな消費生活を支える物流の役割が見事に表現されている。
また、社長の愛犬で同社のマスコットでもある2匹のパグがさり気なくマンションの窓から顔を出しており、「HPか何かで調べたのだと思うが、これにはやられた」と大きなプラスポイントになったようだ。今回のラッピング施工も淡路共正陸運(=AKC、尾上昌史社長、兵庫県洲本市)のマーキングシステム事業部が管理する同県南あわじ市の工場が舞台となった。
「芸大に3台を集結させてドローンを使った撮影会や、万博を控えていることもあって施工関係者からも『大阪らしい風景を入れて撮ってみたら』というアイデアをもらっている」と山田社長。「自分が考えたデザインが形になり、トラックに描かれて全国を走るというのは学生にとって貴重な経験になる、との評価を大学側からいただいている。就職活動で有利に働いているとの声もうれしい」(同)。来春の4号車製作に向け、すでに次のプロジェクトがスタートしているという。
◎関連リンク→ 株式会社ジェイネクスト ロジスティクス