【中部】「トラガールってなんだ」

　裕進運輸（三重県三重郡菰野町）の渡部裕之社長は異業種の知人男性からこんな質問を受けて、はっとした。同社ではボディプリンターの導入でＰＲトラックの展開を進めており、「トラガール募集」と大きく描かれた車両（写真）も運行していた中での出来事だった。

　「それを聞いて、世間での認知度の低さを思い知った」という渡部社長。業界内ではすっかり定着の向きもある「トラガール」という名称だが、社長の知人男性の意見は決して珍しいものではなく、記者の周囲の人間（異業種）に意見を求めても、「知っている」との回答を得られなかった。

　この地域でもマイシン（辻直樹社長、愛知県豊橋市）に代表されるように女性ドライバーの活躍が注目される事業者も増加傾向にあり、また松井急便（松井善行社長、岐阜県恵那市）などでの専用車両の導入も広がりを見せていることから、業界にとって今や欠かせない存在となっている「トラガール」。

　渡部社長は「『トラガール募集』というトラックをせっかく走らせても、その言葉の意味を世間が知らなければ、あまり効果はなかったのかもしれない」と落胆の表情を浮かべるが、そうしたＰＲトラックが街を走ることで、社長の知人男性のように新たな認知が広がっていくということを考えれば、同トラックの運行は決して無駄ではないと言える。渡部社長の考えた趣旨とは、方向性が違えども...。

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