国田運送 車体や船体、床面もラッピングを事業化
「それまでは自分ひとりで、ちょこっとやっていた程度。デザイン担当の専従者を採用するなど、本格的に取り組みだしたのは1年ほど前から」と、ラッピング事業部を立ち上げた経緯を話す國田泰宜氏(国田運送社長=41、兵庫県加西市)。本社営業所から1.5kmほど離れた場所に令和3年、倉庫を整備した広原営業所を開設したが、その敷地内に構えた2階建て事務所が同事業部の拠点になっている。
同社が手掛けるのは、紫外線などによる経年劣化にも強い高品質フィルムにインクジェットで印刷するタイプのラッピング。「知人にスーパーカーのオーナーがいて、そこでカーラッピング技術を知った。飛び石から車を守るプロテクションフィルムも含め、とりあえず社用車に施工した」と話す。
本腰を入れるきっかけになったのが東京都にあるカーラッピングの老舗と、化学・電気素材の世界的メーカーである3M(スリーエム)社が組んだ専門講座に"1期生"として参加したことだった。「その後は材料や、技術面もサポートしてもらいながらやってきた」とのことで、これまでの受注実績は30件ほど。代替えのタイミングで施工した自車7台を含めてトラックは計10台で、ほかに36㌳のクルーザーや建築物、構内のフロアサインと幅広い。
ラッピングは当初、ドライバー採用などリクルート効果を意識したというが、「いまは時短でドライバーが副業するような時代。トラックの乗務を終えて働く別部門が社内にあれば、会社としても全体的な労働時間を確実に把握できる」と説明。現在は「あくまで本業はトラック。手の空いたドライバー5~6人が、できる範囲でやっている」という。
製造関係の荷主が多いこともあり、「工場内のフロアサインの施工などで声掛けもしやすい」と話す。今後は「継続できる事業であることが一番。スーパーカーなど個人の受注に加え、企業のブランディング化につなげるようなフリートマーキングなども手掛けていきたい」と意欲を見せている。
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