岡田商運 里帰りの名刀をラッピングトラックでPR
【岡山】集まった多くの浄財によって日本刀の聖地へ〝里帰り〟した国宝の刀「山鳥毛」。その一般公開が9月10日から始まるのを前に、瀬戸内市が進める里帰りプロジェクトを合わせてPRするラッピングトラックの出発式が同市役所で8月27日に開かれた。広告塔の役目を担うのは岡田商運(岡田好美社長、岡山市中区)の大型トラックで、「関東から九州の範囲を運行するフリーの車両」(同社長)という。
戦国武将の一人、上杉謙信が愛用したとされる国宝の備前刀「太刀・無銘一文字」(愛称=山鳥毛・さんちょうもう)を巡っては一時、個人所有者の手を離れて県外へと流出する可能性があったことで、それを防ごうと同市がクラウドファンディングやふるさと納税などを活用。今年1月27日の時点で、購入費として募っていた寄付が目標を超え(5億1309万円)、3月22日に引き渡しが行われた。
出発式で武久顕也市長は「同プロジェクトに1万7000件を超える支援をいただき、5億円の刀を里帰りさせることができた。今後は山鳥毛の里づくりのため、ふるさと納税なども進める必要があるが、全国を走るPRトラックに期待したい」と喜びを表現。岡田社長も「ふるさと納税を通して武久市長の熱い思いに触れ、何か協力できないかと感じた。2号車の要望があれば対応したい」と支援を口にした。
かねて同社では大型トラックを使った小学校での交通安全教室や、地域住民も巻き込んだ春夏の祭りなどボランティア活動に力を注ぐ一方、今回と同様に岡山県や岡山市、総社市などで地域振興を応援するラッピング車両を自費制作するスタイルで取り組んできた。同社長によれば「次はシーガルズ(Vリーグで数少ない市民クラブチーム)のラッピング。早ければ年内に完成する」としている。
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