安佐運送 働く環境整備に注力、70年の思い載せ走る

【広島】昨年、創業70年を迎えた安佐運送(石田貴士社長、広島市安佐北区)は、特別デザインの記念車両を初めて作った。石田社長は「2024年問題に数年前から対応してきたなかで、節目の70年。当社のいまを表現する1台で感慨深い」と話す。
同社長は18年11月に3代目社長に就任して以来、若手を中心に人材育成や定着に注力している。「コロナ前から労働環境の整備に着手し、2年前には完全週休2日制に、有給取得率も百パーセントになった。従業員に『必要な時はいつでも休める』と思える環境を整えてきた」という。
24年対策では、労働時間を見える化した。「ドライバー一人ひとりに説明し、理解してもらい給与体系を見直した」。雇用契約を結び直してからの〝2段構え〟で「社労士と相談を重ね、できたこと」と振り返る。
課題解決に取り組む一方で迎えた創業70年。記念車両は大型車で「いままでと全く違うデザインにしたくて『ASA』のロゴはあえて使わなかった」と社長。
「物流倉庫マネジメント、運送事業。それは石田ファミリーが動かしている―すべてはAから始まるストーリー」とのメッセージを英文でボディー側面にプリント。ファミリーは従業員も皆家族という一体感を表現した。文字は黒と赤でシンプルだが、「A」だけを赤色にして印象的に演出。70年の思いと未来を感じさせる車両は中国エリアを運行している。
施工した中国陸運(廿日市市)の西尾義輝社長が自らデザインしたそうで、その出来栄えに笑顔の石田社長。「コロナの混乱もあったが、今後は財務をさらに強化していく。そのために誠実な仕事をしたい」と先を見据える。
◎関連リンク→ 安佐運送株式会社
2025年4月14日