【岡山】「従業員や取引先、ＯＢなど関係者への感謝の思いを込めた」（入倉栄作社長）という西大寺運送（岡山市東区）の設立70周年の記念トラックがこのほど納車された。緑・赤・白のコーポレートカラーで車体３面がフルラッピングされているが、特別車ということで通常は使用しないメタリックで仕上げた。

　一方、記念事業の一つとして本社も移転・新築する。現在地から北側へ約２㌔㍍の同区内で、昨年12月11日に着工しており、今年９月末の完成（10月稼働）を見込む。敷地内には４階建ての事務所棟（延べ床面積４００坪）と、３階建ての営業定温倉庫を整備。空調設備を採用し、夏場などの作業環境を向上させる配慮も施す。また、同社初の高床倉庫で、コンテナの直付けを想定するなど業務の拡充もめざす。

　「この先の最大の課題は人材確保。新社屋はリクルートを意識しつつ、福利厚生の充実化も取り込んだ『運送会社らしくない建物』にしたい」と入倉社長。ガラス張りの社屋には、健康づくりのためのジムルームやシャワー設備などのほか、力を入れるｅスポーツの専用施設も設置。４階の大会議室は緊急時の避難場所として地域に提供する準備もある。

　現在は同社を中核とする全17社で企業体を形成するが、５年以内をめどに持株会社（一昨年11月に設立）の傘下に収める計画。「事業承継に加え、人材を集めること、さらに横の異動を容易にすることも目的」（同）と、物流以外に農業や再生可能エネルギー事業、不動産管理など幅広く手掛ける組織のメリットを生かしたい考えだ。

　70周年の節目を迎えた同社は近年、トラック運送に加えて倉庫事業も拡大。２～３年ごとに１棟を建設するペースが続き、数年前に掲げた「県内に１万坪の自社倉庫」という目標も新本社の完成で達成する。また、早ければ２０２５年に早島地区で２０００坪の建設に着工。その後も県内の２拠点で３棟（７０００坪）を計画しており、すでに用地を取得。数年後には当初計画の倍となる県内２万坪の自社倉庫が見えてくる。

　　　　

◎関連リンク→　西大寺運送有限会社