旭運送 「癒される」と投稿、事故防止の思い伝播
【兵庫】「新型コロナで滅入った気分が久々に晴れて、思わず笑みがこぼれた。癒されるというのか、とにかく和む」という内容の投稿がこのほど、SNSを介して記者の元に届いた。発信者は、姫路市にある中古車販売会社で働く50代の女性で、運転中に見かけたというトラックの後部扉の写真が添付されていた。
このラッピングされた大型トラックの持ち主は朝来市に本社を構える旭運送で、同社の「姫路支店に所属している」と上田英代社長。宮田運輸(大阪府高槻市)が進める「こどもミュージアムプロジェクト」に賛同して製作されたもので、同支店には同様の車両が計4台あるという。一方、本社でも今年4月18日、同ミュージアム・フェスタ2019の優秀作品を掲載したラッピング車を作った。
自分の子供が描いた絵とメッセージをトラックにラッピングすることで交通安全、事故のない社会をめざす取り組み。トラック業界と縁のない一般女性を和ませた1台には、同支店に勤める42歳のドライバーの3人の子供による「あしたはあしたの風が吹く」「笑え~いいことあるから」「お仕事がんばって」「Good Job」の4枚がバランスよく掲載されている。
「実をいうと、最後の1つ(グッドジョブ)はドライバー本人の思いも入っているみたい」と笑顔の同社長。195台を保有する同社には地元・但馬地域だけを走るトラックや、近畿圏内を運行する車両などさまざまなタイプがあるが、写真の大型トラックは「いわゆるフリーで、日本中を走る」(同)という。ちなみに、ナンバープレートは東京オリンピック・パラリンピックの特別仕様、番号も2525(ニコニコ)のこだわりようだ。
「『小さな文字で何が書いてあるのか気になった...という理由で後をつけてきた車があった』という話を以前、ドライバーから聞いたことがある」(同)という。ドライバーの高齢化が進むなかで、趣旨に沿った絵を描く年齢の子供を持つケースが多くないのも実情だが、「対象となるドライバーがいるなら、本人の考えも聞いたうえでラッピング車を増やせれば。でも今回、一般の人から優しい反応をもらえたことはうれしい」(同)と話している。
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